O型女子の好奇心blog

好奇心のままに生きてたらNYに居た人。

まだ中学生だった頃、友達が学校の先生と付き合っていた話。

私の好きな有村架純さんが「中学聖日記」というドラマに出演されてました。男子中学生と、有村架純さん扮する女性教師が恋に落ちるという純愛系ラブストーリー。今ニューヨークに住んでいるという環境もあって、見れていないんですけど、それで思い出した話があるので、ブログに書いてみたいです。

 

*

私の中学時代の友達に、Aちゃんという女の子がいます。タイトルからしてややこしい話だし、本人のプライバシーに関わる話なので、特定を避けるために少し変えますが、、ここでは、明日美ちゃんと呼ぶことにします。

 

その明日美ちゃんは、華奢で、背も小さくて、誰が見ても可愛らしい見た目をしていました。可愛い子ってなんであんなに全てを持っているんだろう。髪はいつもサラサラで、日焼け止めなんて塗らなくても抜けるほど肌が白くて。彼女はバスケ部でした。勉強は学年で1番ってほどじゃないんですけど、ガリガリ勉強しなくても常に上位10番〜30番くらいがキープ出来ちゃうような女の子でした。

明日美ちゃんは女子からも男子からも好かれていました。特に、男子からの人気は絶大で、学年の半分の男子が明日美ちゃんに対して、恋とかそういう類の気持ちを抱いていたと思います。クラス替えのたびに、明日美ちゃんと同じクラスになれた男子の間で「お前いいな〜!」とかそういう会話が起こっていました。

 

私がそんな彼女と仲良くなったのは、同じクラスになった中学3年生の時でした。

彼女には「とびきり仲が良い女の子をいつも隣に置く」というクセがあって、中学1年生の時はMちゃん、2年生の時はYちゃんでした。トイレも、教室移動も、修学旅行のグループも、どこに行くにも一緒。3年生になってなんで私が選ばれたのかわからなかったんですけど、人気者の隣って自分まで特別になれたような気がするし、誇らしくもあり、彼女が話してくれる、女子中学生の恋愛話をいつも楽しく聞いていました。

明日美ちゃんは恋愛体質なことも手伝って、中学3年生、15歳という若さで、何人もの男子に告白され、すでに学校内には4〜5人程の元彼がいました。付き合うと言っても、部活終わりに手を繋いで帰ったとか、家族との旅行先でおそろいの携帯ストラップを買ってお土産にあげたとかそういう可愛い話ですよ。

でも聞いてみると、今回はどうやら違うみたいなんです。

明日美ちゃんは、バスケ部の練習試合で知り合った、隣のB中学の顧問に恋をしていました。すでにメールアドレスは渡してあって、まだ親に買ってもらったばかりのdocomoの携帯電話を使って、夜な夜なメールをしているそうです。

 

その先生は、隣の中学にも関わらず、わたしの学校でもちょっと話題になっていました。新卒採用された23歳、バスケの強豪校出身らしいんです。顔もなかなかかっこいいとか。田舎の中学では、それだけでも大ニュースです。

明日美ちゃんの話を良いとも悪いとも言わず、いつも隣でニコニコ聞いていた私も、さすがにこの時は「その人本当に大丈夫?危ない人じゃない?変なことに巻き込まれないように注意したほうがいいよ」と伝えたのですが、彼女の気持ちはヒートアップするばかりで。

 

間もなく、二人は付き合うことになりました。

彼女が飛び込んだ世界は、15歳の女子中学生にとってそれはそれは刺激的なものでした。夜中、家族に気付かれないように自宅の窓から脱出し、先生と車でデートしたり。焼肉の食べ放題をご馳走してもらった後、カラオケでみんなが知らない洋楽の曲を歌ってもらったり。先生が勤めていた隣の中学に、誰もいない夜に忍び込んで、職員室でキスしたなんてエピソードもあったなあ。

 

ついこの前まで一緒に大塚愛を聴いていたのに、バックストリートボーイズのファンになってるしで、同級生の誰もが憧れた明日美ちゃんは、私たちとは全然違う世界の人になってしまったようでした。

 

危なっかしい、けど幸せそうなその話を毎日聞いていたんですけど、3ヶ月くらい経つと、明日美ちゃんの話の様子が変わってきました。先生からのメールが来ない、電話も出てくれない、大学生の元カノとヨリを戻したのかな、私がずっと体の関係を拒み続けたせいかもしれない、他の男子に告白された話なんかしなければ良かった。と。明日美ちゃんは授業中も顔を上げず、泣いているようでした。そんな明日美ちゃんを見るのは初めてで、私もなんて言葉をかけるのが適切かわからず、ただ、明日美ちゃんは悪くない、そんなことをする大人の男は最低だ、ロリコンだ、犯罪者予備軍だ、と自分が知っている悪い言葉の全てを使ってその教師を責めるしかありませんでした。事情をわかってくれる大人に話してみるのはどうか?と提案もしてみましたが、明日美ちゃんはそうしませんでした。

「私が勝手に好きになって、私がふられただけだから。」

それは明日美ちゃんにとってはじめての失恋でした。

 

*

当時の先生の年齢をとっくに追い越した今、考えると、23歳教師と15歳女子中学生って響きだけでもざわざわするのですが、しかし法律なんか抜きにすれば、結局二人のことは二人にしかわからないんだとも思います。当たり前だけど33歳男性と25歳女性の話だったら聞こえ方も全然違うし。

 

明日美ちゃんとは、違う高校に進学し、そのあとなんとなく連絡は取らなくなってしまったんですけど、現代とは便利なもので、今でもInstagramを開けば、都内住みのOLとなった彼女の日常生活を伺い知ることができます。西麻布の鉄板焼きに、銀座のお寿司に、六本木のバー。隣にいつも同じ女の子が写っているので、あのクセは変わっていないんだな。

今は彼氏はいないものの、当時の可愛らしさに女性の色気をプラスした笑顔がタイムラインにいつも貼り付いているから、元気にやってるみたいです。